朱嘉様とのことも、竜王様はわかっていたんだ…。
気にかけてくれていた、という点ではなんとなく嬉しいけど…。
「…朱嘉にも、そのうち後宮を出て行ってもらう。朱嘉が納得する縁談を取り付けることが条件だけど…」
「…え?そ、それでいいんですか?だ、だって、朱嘉様は…」
「朱嘉はあわよくば王妃になりたかっただけだよ。俺との昔の関係もあるし」
「昔の関係?!」
「……あっ。そ、それは、過去のことだよ。今は違うから!絶対!」
って、後宮にいた時、廊下でキスしていませんでしたか?その後居室に二人で…。
…だなんて、この場で言えない空気が。
竜王様は否定してるけど、焦っているような…。そこら辺はもやもやのままだ。
「と、とにかく!そういうわけで、誤解を生んだ後宮は解散」
「竜王様はそれでいいんですか?!」
「…だから、さっきからいいって言ってるんだけど」
「だ、だって!」
「だってもへったくれもないよ…ここまで言ってもわからないの?」
私の確認に、竜王様は「やれやれ…」と、また深いため息をついた。
って、何ですかその反応は!



