「へぇっ!」
あまりの驚愕に、また変な声が出た。
さっきから私、変な声しか出してなくない?
でもでも、私にとっては予想もつかなかった驚き発言だったんですけど…!
「後宮無くすって!…竜王様、それで良いんですか?!」
「え?良いに決まってるだろ?何で?」
「だ、だって!寵愛していた人達、いなくなっちゃうんですよ?」
「だから、それもガセだって…」
「がせ!が、がせ?」
私があわあわしてるのが面白いのか、竜王様はプッと吹き出している。
失笑の顔も眼福ですが…!うっとりしている場合じゃありません!
「現に…黎奈はもう後宮にいない。実家に帰ったから」
「へ?へ?帰った…!」
「黎奈は阿修羅王族配下の貴族の娘なんだけど、故郷に婚約者がいたのに、無理矢理竜宮に連れてこられたんだ。…年寄り達の権力争いに巻き込まれて、ね?」
「無理矢理…?」
「そう。初めて目通りした時『私には心に決めた人がいますので、貴殿のものになることは出来ません!腹を斬ってお詫びします!』なんて、土下座されて、刃物持ち出されたらもう…」
その時のことを思い出しているのか、竜王様は苦笑いしている。



