散々逃げてきたので、もう信用されていないようです。
でも、誰もいない森の中とはいえ、恥ずかしい…!
しかし、そう遠くへは行かず、豹牙たちが見えなくなったところで、竜王様は私を抱いたそのままそこらに腰掛ける。
私を抱いたまま軽々と…半端ではない筋力だ。
「だ、大丈夫ですよ、降ろしてくだ…」
「ダメ」
「えっ…」
さっきからダメダメと…!竜王様、こんなキャラでしたか?処処聞かれる乱暴な言葉遣いといい、豹変しているような…!
結局、降ろしてもらえず、私が竜王様の膝に腰掛けながらお話をすることに…恥ずかしい!
やはり、この体勢顔近い!話が終わるまでに私の心臓持つでしょうか。眼福連発で、爆発するんじゃないんだろうか…。
「まずは…ごめん」
話の始まりは、竜王様の謝罪だった。
「せっかく羅沙に竜宮に来てもらったのに、忙しくしていて、ろくに話も出来ずに一人にして…結果、羅沙にあのような行動を取らせる形になって、悪かったと思ってる」
あのような行動…あぁ、馬一匹盗んで脱走したことだろうか。今となってはお恥ずかしい、野ざらし野営…。



