『見出す、と?』
『羅沙は…自分にとっては愛しい唯一無二の無くてはならない存在、これ以上に何が言えましょうか』
すると、舎脂様は『はっ』と鼻で笑う。
目が鋭くなった。
『…惚れた晴れたの戯言か?その程度の名目で族間政略の契約とは、この愚かな小僧が!力量ある優れ者と聞いていたが、所詮はその程度か?…ならば退け。あの姫の価値はそんなものではない。美男子と言われた其方なら、惚れた晴れた程度の女はそこらに巨万といる!余計な真似はするでない!』
おおぉぉ…恐っ。酷い言い様だ。
さすが、天帝を誑かした黒闇天女を失墜させただけある、この気概と迫力。
だが、負けてはいられない。
『ですが、舎脂様も惚れた晴れたで天に楯突き、世界を変えられたではないですか?』
『昔話か?何が言いたい!』
『愛は何よりも強し、ですよ?…貴方がたの羅沙に対する兵器扱いの価値と、俺の愛の価値はまるで違う』
『兵器、だと?…其方、わかっておるのか!…黒闇天女のことも、姫の【紅蓮の炎】も!』



