婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!


こうして、俺の説得により、その場で政略結婚の契約を交わすことに。



『…いいのか?一族で話し合いもせずに』

『いい。俺としては言い方悪いけど願ったり叶ったりだ。…羅沙は俺が守る』



そんなカッコいいこと言っちゃってるけど。

胸の奥底では…実は誰にも渡したくないとか、独占欲暴走してしまって。

でも、やっちまった感も後悔もこれっぽっちも感じない。むしろ、俺の出番が来たというぐらい?

羅沙の気持ちは…政略結婚なんてよくあること。でも、そこから愛を育んでいくことだって出来る。

ゆっくり時間をかけて、二人のかけがえのない関係を作っていけばいいんだ。



『俺としては、王領でじゃがいもの品種改良に情熱を注いでくれる男を、羅沙に婿入りさせたかったんだが』

『……専門家雇えよ!』

他の男が婿入りなんて、冗談じゃない!





そして、あれよあれよと秘密裏に準備を進めて、半月後には羅沙が竜宮にやってきた。

緊張でガチガチの羅沙の手を取る。



『羅沙…幸せになろう』



羅沙は、俺が幸せにする。

…ではなく、二人で幸せを作る。

二人で、いろいろなものを作り上げよう。

まだ見たことない景色も、見よう。



俺達は、ここから。まだ始まったばかりなんた。



…だが、しかし。

これで、連中が黙っているワケがない。



『…王!天帝様から登城命令が!』



そら来た。来たぞ。