「あやあや。何でそんなに怒るんだい?」

「阿修羅王領で、大掛かりな魔族討伐があったからおまえに加勢求めてたはずなのに!…だからか!何の音沙汰もなかったのは!」

「え?そんなことあったの。早よ言ってよー。魔族討伐したかったー。マジメンゴ」

こいつ、何の悪怯れることもなく…!



この男、八部衆の公務、何もしない。

特命気取りで、いつも外をほっつき歩いてる。



…おかげで、こっちはおまえの分の公務を抱えて、どんな思いをしたか!

せっかく羅沙が輿入れで竜宮に来たにも関わらず、この魔族討伐をワケあって引き受けたおかげで、その竜宮に戻れない日々が続き。

戻れても夜は遅く、羅沙には会えない。正式婚姻前の女性とは夜に会ってはいけません。側妃ならいいけどね。という、よくわからない一族のしきたりのせいで!

そのおかげで、何の弁解も出来ないまますれ違い、羅沙は婚約解消したいと言い出して。

終いには、羅沙が竜宮から馬一匹で逃げ出すという、こんな結末に…!


…と、いうのは八つ当たりだろうか。