だが…妻、白楼の反応は意外なものだった。
『その子を…引き取りましょう!』
『…はぁっ?!』
そう呟く、妻の顔は…何故か希望に溢れていて、気持ち悪いくらいの違和感だったという。
『きっとこれは、もう子供が産めない体になった私への神様からの贈り物だわ…!』
…というのも、夜叉王の正妃・白楼は、生まれつき体が弱いにも関わらず、猛者ほどの神力をこさえた男児を既に二人出産している。
三人目はとうとう流産してしまい、これから先、子を産むのは不可能と言われて、しばらく気を病んでいた。
ちなみに、流産した子は女児だった。
【不貞】だろうが、自分の血が入ってなかろうが、愛しい殿方の遺伝子が入った赤子は、何としても自分の子。
その赤子は、絶対私達が育てる。
病的にそう言い張る白楼に押し切られるように、夜叉王はその赤子を引き取る旨を鬼子母神に伝える。
だが…。
『…何を言ってるのですか、夜叉王!私の産んだ子は、私のもの!誰にも渡しません!』



