母である王妃の白楼様には最後まで猛反対されていたが、護衛として父の傍にいるという条件で、押し切って軍に加わっていた。
俺としても、物凄く気に掛かっていたところだけれども。
討伐任務は、【魔の森】を北は摩睺羅伽、南は夜叉で取り囲み、各箇所に陣を張り、先遣隊の討伐の状況を見て、本陣を進めてじわじわと追い詰め、魔族を一網打尽に、確実に掃討するという作戦。
作戦も最終段階に入り、一番大きい『紫の門』を発見し封印する。間もなく任務も達成間近という…その時に、事は起こった。
先遣隊をいくつかに分け、周辺に蔓延る魔族を退治し、目標の門まで向かう。
だが、目標の『紫の門』に辿り着いた時、あまりの大きさに驚いた。
と、同時に違和感が。
その大きさの割には相応の強さを持つ魔族、必ずいるであろう人型魔族に遭遇しなかったのだから。
別ルートからここに辿り着いた夜迦の弟である羅刹も、騎士団長の豪鬼も大物には出くわさなかったというのだ。
(…変だな)
同じく違和感を抱いたのか、行動を共にしていた現在の夜叉王、夜迦も眉間に無表情ながらにもシワを寄せて考え込んでいるよう。



