「…するんだよ。羅沙の場合」
「それは『闇』だからとかなんとか?」
「それもあるし…羅沙の【紅蓮の炎】は禁呪だ。神術の鍛錬もしてない羅沙には、支配出来ず感情の起伏で暴走してしまう。自身で止めることが出来ないから、体内の神力を出し尽くして、こう…」
「今までにも同じような事があった言い方だな?」
「…それで、羅沙は死の淵を彷徨う羽目になったことがある」
ーーー今から三年前。
この【魔の森】で磁場が大量発生。
次々と『紫の門』が開けられ、魔族は森から溢れるほどに。人里でも姿が確認されるようになり、要討伐の状況となっていた。
【魔の森】は、夜叉王領と摩睺羅伽王領との境にある。そのため、両一族合同での討伐任務が課せられたのだった。
夜叉の王族とは家族ぐるみで昔から交流もあり、ワケあって夜叉王領に留まっていた俺は、その討伐遠征に単身で参加させてもらう。
大規模となったこの魔族討伐。
当時の夜叉王の娘であった羅沙も参加していた。



