「おぉーい。言われた通り、閉じてきましたよー。『紫の門』。ちょい大きめになりかけとったわー」
無責任クソ男の豹牙が、向こうの方角から脳天気に手を振りながら戻ってきた。
足元には、先程の白いもふもふがいて「わん!」と吠えながらこっちに向かって走ってくる。
羅沙の顔の傍に寄ってきて、もう一度「わん!」と吠えて、覗き込んでいるようだ。
ふわふわの尻尾がパタパタ動いている。
心配してるのか?…だとしたら、随分お利口だな。ただの畜生じゃない。
「おー。ぽめ、羅沙が心配か?」
豹牙は畜生の後を追ってダラダラとやってきた。
「ぽめは優しいですなー。ぶはは」
「ったく、ホントにおまえの白虎は」
「おー。そうよ。可愛いでしょーん。我が弟だぜ!」
「………」
豹牙はいつしか【聖獣の儀】を以て、聖域の聖獣・白虎と契約を交わした。
それが、この真っ白ポメラニアン……?
ポメラニアンは犬だろ。何故?
「…っつーか、白虎はトラだろ?何で犬…」
「あやつ自身も可愛い姿でいたいんだとさー?人間界からそのお姿をパクッちまいました!乙女心?犬心?…あ、虎心?」
「………」
なんだその理屈は。



