俺の姿を見かけて吠えては尻尾をパタパタさせ、自分の尾を追うようにその場をぐるぐると回り続けている。…アホなのか?
白いもふもふの毛は、少し赤く染まっている。だが、犬本人はダメージが無さそうだ。
…やはり、こいつか。
善見城にて、俺の顔面に尻の穴を擦り付けた畜生。軽く屈辱だったんですが。
それにさっき、湖畔の砂浜で波動砲をぶっ放され、吹っ飛ばされた。
この畜生は何者か。…いや、知ってるけど。
だが、その畜生の傍には…探し求めていた彼女がいる。
仰向けに倒れている羅沙が。
遠くから見た感じでは気を失っているだけのようだ。
良かった…と、ホッと胸を撫で下ろす。
…羅沙の無事が確認出来たのなら、次は山火事の消火だ。
だが、この闇の神力の炎は、地獄の業火。
単なる氷冷の術だとかで消える代物ではない。
《頼む…『相殺』だ!それでこの紅蓮の炎は消える…!》
…因果関係はわからないが、魔力を中和、分子分解して魔族を駆逐する術式…『相殺』が有効なのだという。



