…はっ。そうだ。
自分で言い出しておきながら。
「ガーディアン神術云々言う前に、まずそこよ!誠意見せねえから、竜王納得してねーんじゃね?…全身全霊、誠意の謝罪?」
豹牙の一言で、みるみると昨晩の記憶が蘇る。
…そうだ。きっと、竜王様は善見城での件、婚約のあれこれについてわざわざやってきたのに。
急にガーディアンだの神術だの言われて混乱してるのかもしれない。俺に関係ない話されても…みたいな。
気付かされること、多々。
…そうだ。
必要なのは、まず謝罪だ。
全身全霊、誠意ある謝罪。
そうすれば、竜王様も取り敢えず納得されるだろう。
話はそれからここですればいい。それなら戻ろうなんて言われなくなるかもしれない。
(…よし)
羅沙、今なんじゃない?
全身全霊、渾身の誠意を見せる時は。
「竜王様…」
今後の流れを勝手に一人で導いてしまった私は、その場に両膝を付いて、フカフカな砂浜の上に正座した。



