ちゃんと話を聞かねばならない。

謝罪もしなければならない。

それは、わかってる。



でも、私達は今、摩睺羅伽王領に行かなくてはならない。草樹さんが待っているんだ。

戻るわけには…!



「も、戻らなくてはなりませんか?」

「え…?」



私の問いに、竜王様は眉を顰める。

しかし、そんな『嫌な顔』ともいえる彼の反応に不安感が増して、ハラハラしてしまう。



「あ、あのっ、竜王様っ。わ、私、今は理由があって一緒に戻ることは、出来ませんっ…」

「…何で?」



さっきの鬼のような怒りを見てるだけに、竜王様の顔がどんどん強張っていくのを恐いと思ってしまった。

ますます焦った私は、勢いでその理由を暴露してしまう。



「わ、私達、これから摩睺羅伽王領に行くんです」

「………」



私のその一言で、竜王様はまたしてもきょとんとしている。竜王様にとっては、思いもよらない返答だったのか。



「摩睺羅伽王領って…あの魔界辺境の?何しに?」

「し、神術…神術を習いに行くんですっ!」

「神術…はぁっ?!」