「湖の向こう、『魔の森』だけど大丈夫かな」
「おー大丈夫だ。湖が軽く結界代わりになってる。しかし綺麗な湖だな?入れそう。うひひ…」
そして、偉そうに仁王立ちになり叫ぶ。
「てなわけで、本日はここをキャンプ地とする!」
「わんわんっ!」
それ、毎回やらなきゃダメなの?
そして私達はせっせとテントを立てる。
今回のテントは、私が燃やしてしまったテント(本当にすみません…)と大きさは同じほどだが、違うのは形が四角いぐらい。色も同じ深緑だった。
気がつけば、もう夕暮れ時。
さあ、そろそろ火起こしかな。
と、思いきや。
「フッフッフッ…本日の特選素材!」
怪しい笑い声が聞こえてきた。
振り返ると、豹牙が私に背を向け、座り込んでこちゃこちゃと何かをしている。
そういえば…丸鶏買った直後も、市場の隅でこちゃこちゃやってた。
私はその時、北地域の組合長の奥さまに偶然出会って挨拶していたから、何をしているか見てなかったけど。
「豹牙、何してんの?」



