野営はちょっと…勘弁!嘘でしょっ!
「竜王どうしたの?!…えっ?ひ、豹牙っ?!」
「お」
家臣の悲痛な叫びにただならぬ様子を感じてやってきたのだろうか。
そこには、慌てて駆け付けた天帝様とお兄様の姿が。
だが、豹牙と私が移動術式の陣に乗り、宙に浮いている状態を目にして、天帝様は「ああぁぁ!」と、飛び上がって驚いている。
「ひ、豹牙っ!な、何やってるんだ!羅沙を術陣から降ろしなさい!…あぁっ!白虎!豹牙の白虎が何で竜王の顔に!」
「お。兄貴ー!本日四回目のハピバ!おめー!」
竜王様はぽめとペロペロ中…いいえ、格闘中。私は豹牙の移動術式の陣に乗せられている。
この状況に泡食っている兄、平然として構っちゃいない弟。
なんとも空気感が違い過ぎる。
「そ、それはもういいから!羅沙をどこに連れて行く気なんだ!」
「えー。キャンプ」
「はっ?!」
「今からちーと行ってくるわー。そういうわけで?夜叉王、ヨロ!」
「お」
豹牙は呑気にお兄様に手を振っている。
だが、「あ、そういうことか」と、お兄様は無表情ながらに頷いて納得しているようだ。…何で?!



