そう言って、むひひ…と笑いながらこっちに近付いてくる。
「何だなんだ。話終わってんじゃんよ。しっつこい男は嫌われるで?しっつこい美男子。ぷぷぷ」
「うるさい!こっちに来るな!おまえは毎度毎度邪魔しやがって!…奪われてたまるか!」
そう叫びながら、竜王様は私を自分の背に庇って豹牙を更に睨みつけている。
しかし、豹牙はそんな恐ろしい形相の竜王様をまたしても構わず、私にニーッと不敵な笑みを見せる。
「話終わってんなら、羅沙。レッツラゴーだ。急げ時間無い」
「へ…?」
豹牙の言ってることの意味がわからない。
どうしていいかわからず、私は狼狽えるばかりでいる。
豹牙のますますニヤニヤ笑うその顔を伺ったまま。
そして、腕を組んだまま、豹牙はおもいっきり息を吸ったのち、叫ぶ。
「じゃんじゃんバリバリ、じゃんじゃんバリバリ!……ぽめぇぇい!」
えっ、何の呪文!
すると「わんわんわんっ!」と、可愛い鳴き声がする。
豹牙の肩から、白いもふもふ犬のぽめがぴょこっと顔を出した。可愛い!
と、思ったら、豹牙の肩を蹴ってこっちに飛び掛かってくる!
「はっ!…うわあぁぁぁっ!」



