「…こっちは取り込んでいるんだ!俺は羅沙に話しがあるんだ!後にしてくれ!」
「ふー。わかったー。さ、どぞどぞ。待ってる」
そして、豹牙は腕を組み、そこに立っている。
え?本当に待ってる感じですか…!
そんな豹牙に呆れて呆然と立ち尽くしていたら、掴まれた腕は再びグイッと引っ張られた。
「…さ、羅沙行こう。こんな訳の分からないヤツ放っておいて」
「え?!」
再び、話し合い?!…それは、嫌だ!話はもう終わり、聞きたくない!
「ち、ちょっと待って下さい!話なんてもうありませんっ!」
ずるずる引っ張られるその手を、また振り払う。しかし、また掴まれる。
またこの問答の始まり…。
「…羅沙!」
「もういいんです!勘弁して下さい!」
「ダメだ!」
なんか竜王様、すごいムキになってる?!
顔も険しいまま…何で?!
このままじゃ連れてかれる!
しかし、この男。
待ってると言ったにも関わらず、またしても口を挟んでくる。
「なーんだ。…おーい竜王。羅沙は話終わったって言ってるで?」



