きゃんぷ?!って…!
《…暇なら、俺とキャンプの旅に行くぞ!》
って、さっきのあれ?野営!
今ここでそれ?いきなり!
あまりにも唐突過ぎる豹牙の発言に、全身の血の気がサーッと退いていくような気がした。
空気を読んでいないにも程がある。
いったい何なの?今ここで男女がモメているのを見てませんでしたか?!
こらっ…!
…と、言葉が出かけたが、それは喉の奥で止まった。
なぜならば、私の腕を掴んで未だ離さない竜王様が代わって反論し出したからだ。
「豹牙!おまえは急に何を言い出すんだ!相変わらず突拍子もない!」
竜王様の声が低くなって、多少トゲがある。
細めた鋭い瞳で、キッと豹牙を睨みつけていた。
その迫力に私は恐れをなして真っ青になっていたが、この男は違う。「へ?」と首を傾げている。
動じる様子がないと言うよりも、あんまり構っていない…。
「突拍子もないってさー。俺的には前々からプランは練ってた予定なんだけどなー。今日決行しようとは思わなんだけどさー。でも今日は天気がいいから絶対グレイトビュー」



