「正妃なんてイジメられるもんだろが。周りもイジメてなんぼだと思ってるぞ?それでも耐えて耐えてそこにいるのが嫁入りってもんだろ。一族のために」

「一族のためったって…その一族のことを悪く言われても?奥様計三人だよ?奥様計三人」

「そうだ。おまえは一族代表みたいなもんだ。…やけに奥様計三人に拘るな。よほど衝撃だったか」

そうか。一族代表…なのに、私は逃げ出してしまった。お兄様、亡くなったお父様おかあさまだけじゃなく、凪たちや領民の顔に泥を塗ったようなもの。私のせいで…。

そう解釈してしまうと、しゅんとしてしまう。

「それに羅沙が嫌だの何だの言ったところで政略結婚なんだから、簡単に取り消せるもんじゃないで?」

「え、そーなの」

「あほ。政略結婚なんだから、強制力強いんだっつーの。…で、何?竜宮にも後宮物語が発生したわけ?まさかまさか竜王が側妃を娶るとわ。しかも蓮華が本当は正妃?奥様計三人?ぶははは」

「うん…」

「竜王もあんな爽やかにスカしといて、結局は女好きだったわけねー?がはは。あんだけイケメンだもんな。側妃も蓮華も女みんな食い放題。いひひ」

「そ、そんな言い方しないでよ!」

「で、おまえは『愛しの竜王様が振り向いてくれない!他の女に盗られた!私は正妃になのに!我慢出来ないぃぃ!』と、泣く泣く逃げ出したわけ」

「………」

言い方悪いな。でも、それも本当のことだから、反論のしようがない。



でも…。