「そうなの?…じゃあ何で登城命令なんて」

「うーん。それは俺にもわからねえ。兄貴が羅沙に登城命令なんて。本当にお話しがあるんじゃね?」

「て、天帝様が私に?!」

あるわけがない!…本当に収穫祭の宣伝しか出来ない!



「しかしおまえなぁ、政略結婚ってそんなもんよ?他所者がやってくるんだから、警戒されるのは当たり前だろ」



だがそこで、豹牙はまた突然として話題を核心に持っていく。

いつも唐突すぎる。



「で、でも。亡くなったお父様のことやお兄様のことまで酷い言い方しなくても…!」

「まあ夜叉王領は神力そっちのけで王領を繁栄させたからな?特に神力を重んじる竜族の古くさい重鎮らはよく思ってはいないだろうけど」

「それに、着てるものが古くさいとか、女が剣を握るなんてとか、お茶会お茶会お茶会…何でそこまで言われなきゃなんないの?!いつもお化粧とお喋りばっか」

「…で、『もう嫌ぁぁぁ!』って、逃げてきたわけか」

「………」

逃げた、に反論したかったけど、まさにその通りだから何も言えない。

むうぅ…と黙るも、豹牙は話の続きをやめない。