先生は溺愛ダンナさま

「いや、違うよ。教頭先生に頼み込んで代わってもらったんだ。事情を話したら笑われて、かなり恥ずかしかった」


彼がその時のことを思い出して、顔をしかめるのが、おかしかった。


「私のことを心配して待っててくれたんだね」


だけど嬉しいの。仕事人間の彼がそこまでしてくれたのは全部私のためだから。


「ん?ちょっと違うな。実は嫉妬で頭がおかしくなりそうでカッカッしながら居酒屋の外で、待ってたんだよ。あの下衆男と仲良く喋ってるすみれを見たらいてもたってもいられなくて」


え、居酒屋で藤川さんの隣に座って話しているところを見ていたんだろうか。