短大の学生課というところに配属されて、女性スタッフも数名いたのだけれど、ほとんど藤川さんとしか絡むことはなかった。


というのも、藤川さんは若いのに主任のようで、みんなからは独立した部署の仕事みたいだった。


そして、なぜか彼には一部屋分のスペースが与えられている。他からは仕切りもあって見えないようになっててまるで個室みたいだ。


彼の部下は、どうやら私1人みたい。


「桜木さん」


「はいっ、なんでしょう」


名前を呼ばれると胸が弾んでニヤニヤ顔が緩む。


「なんで名前を呼ばれるだけでそんなに、嬉しそうにするの?」


怪訝な顔で、尋ねる藤川さん。