先生は溺愛ダンナさま

「すみれを不安にさせた俺が悪いんだ
それに俺の方がずっと駄目な夫だよ。夫婦喧嘩をラブホで解決しちゃったし」


「でもそれが嬉しいって思うのは駄目な妻かな?」


顔を見合わせて、フフフって笑いあった。
昨夜のあれこれを思い出すと、愛おしさがこみあげてきた。


「人の少ない始発電車でイチャイチャしたり、ほんとにダメダメだ」


そう言うと、彼はゆっくりと顔を近づけてきたので、瞳を閉じようとしたら大きな駅に着きそうでさすがにドキドキした。


だけど、彼は構わず唇を重ねてきた。1回めは確かめ合うように、2回目は愛おしそうに。


甘美な香りがしたから、昨夜の泡ぶろの香りかもしれない。


「愛してる、すみれ」


「理人さん、私も愛してる」


大きな駅に到着して扉が開くと、何人かの乗客が乗り込んできた。


今日も新たな1日が始まる。


電車に乗るたびに思い出したい一言を彼は私にくれた。




今日も相変わらず、わたしの先生は溺愛ダンナさま。


この先も、あなたは私にとって永遠の先生で、ダンナさまで、一番大切な人。


ねえダンナさま、ずっとあなたに恋していてもいいですか?


私の幸せはいつもあなたと共にあるから。


これからもずっと一緒にいようね。


end