先生は溺愛ダンナさま




それから、着替えをするために一度自宅に戻ろうと始発電車に乗った。


朝の匂いは清々しくて、暖かい空気をいっぱい吸い込んだ。


車内にはまだ、ほとんど人はいなくてガラガラ。


「理人さん、愛してる」


ニコニコしながら、ちょっと大きな声で告白する。


「あれ、なんで今?」


「だって、ここ静かだし、それに電車の中って言うのも言われるのもドキドキするでしょ。電車に乗るたびに思い出してもらえそうだから」


「俺は電車に乗るたびに、昨夜の醜態を思い出しちゃいそうだけど」


ハハッて乾いた笑いを浮かべる彼。


「え、どこが?醜態じゃないよ。理人さんとの新たな1ページが開いたのに」