先生は溺愛ダンナさま

「すみれは結婚して強くなったよ。でも俺、次にあの男に会ったら殴りそう。我慢できないかもしれない」


「あんな人、殴って問題にされたら損だよ」


「ハハ、でも困ったことがあれば俺に言うんだよ」


「うん」


言って彼の首に腕を回して抱きついたら、わぁって声を出して驚かれた。


泡風呂が面白くて顔を見合わせて子供みたいにキャハキャハはしゃいだら、彼に笑われた。


「そんなに楽しんでくれるなら、また来ようか」


「えーっ、お金がもったいないよ。ここ結構高いでしょ?」


すっかり主婦感覚が身に着いた私には、ホテル代は結構高額に思えた。


「いや、このくらい、相場の金額なんじゃない?」


「へー、詳しいんだね?」


「いいや、詳しくない」


理人さんが真顔で返事をするので、クスクス笑った。