溺愛ホリック

·····え、どうして?



「梓〈アズサ〉の言った通りだな」

「豹くん·····」

「俺から離れようとか思うな」

「えっ·····」

「言っとくけど、お前が悩んでること全部外れてっから」

「外れて、る?」



意味が、わからない。



自惚れたくない。



ちゃんと言ってくれなきゃわかんないよ·····。



家の前で待っていた豹くんに手を引かれ、歩き出す。



豹くんはいつもこうだ。



大事なことはなにも言ってくれない。



私も深入りするのが怖くて聞けない。



繋がれたこの手も離さなくちゃいけないのに。



欲張りな私は離せないでいた。



学校に着いたら自然と手が離れた。



豹くんの周りにたくさんの女の子が集まってきたから。



私はボソッと、ありがとう、と告げてその場を去ろうとした時。



「先帰んじゃねぇぞ、柚子」



豹くんがおっきい声出した·····。


もうダメ。



これ以上ハマっちゃ·····。



周りの女の子たちもザワザワし出して、私は聞こえないフリをして、振り返らず前に進んだ。