豹くんの顔色を伺っていると、不意に右手に感じる温もり。



手なんて繋いでどうしたの〜·····。



「寒い?」

「別に」

「豹くん?」

「柚子がバイトしたら、こうやって放課後一緒に帰る時間減んのかなーって思っただけ」



よく見たら、ちょっとだけむくれてる豹くんの顔·····。



キュン死にします·····。



そっか·····。



2人の時間が減っちゃうことなんて全然考えなかったよ·····。



まぁでも、オープニングスタッフだから、数日のバイトなんだけどね。



それでも、そんな風に豹くんが思ってくれてたことが嬉しくて。



私もキュッと繋がれた手を強く握りしめた。



寂しい。



その言葉が、豹くんから聞こえたような気がしてもっと嬉しくなった。



「今日から開店するからな〜。みんなよろしくな〜」

「「よろしくお願いします!」」



それから1週間後、カフェシロクマがオープン。



店長の息子さんがシロクマ大好きなのが店名の由来らしい。