そりゃ初めてすることは誰でも失敗するさ。



何事も経験なんだよ豹くん。



茶色のオシャレな扉を開けて、すみませんと声をかける。



出てきた人は、ヒゲがダンディなここの店長さん。



「もしかして、バイトしたい?」

「あ、そうですっ」

「助かるわ〜。もしかしてそっちの彼氏?」

「へ?あ、はいっ」

「君も?」



丁重にお断りする豹くんと凹む店長さん·····。



仕方ないです。



豹くんはもう雇われてます。



女性客を増やしたくて期待したらしい店長さんは、気前がいいのかすぐにOKしてくれた。



後日履歴書持ってきてって言われて、私の初バイトが決まりました·····。



嬉しい·····。



「よかったな」

「うん!頑張らなくちゃ」

「·····」

「豹くん?どしたの?」



突然黙り込む豹くん。



なぜなのか全然わからない私·····。