教室に早歩きで戻って、自分の席についた。



「遅かったね〜潤美〈ウミ〉ちゃん。購買いっぱいだった?」

「·····うん」

「私購買苦手。人に埋もれちゃうんだもーん」

「はぁ、蜜〈ミツ〉癒し」

「何かあったの?」



中学からの親友、蜜。



小動物みたいで私の癒し。



疲れた時は蜜に限る。



口の中パンパンにして、可愛い。



「蜜見てたらどうでもよくなった」

「不思議だね」

「ちょっとずつ食べないとむせるよ?」

「気をつけるね」



蜜といることが今の幸せかもしれない。



一条先輩のことなんか忘れよう。



まだ知って日も浅いしすぐに忘れられる。



·····はずが、なんで夢に出てくるの。



私のこともそこらへんの女の子と同じ扱いするの?



そんなの嫌。



私は、私だけを見てくれる人と付き合いたい。