《芹》



あたしはむすっとしていた。



目の前のこの光景にはもううんざりなんだよ。



「ねぇ暁。次はあたしと遊ばない?」

「あー歳上しか興味ないんだよね、俺」

「えーなんで?そんなの関係ないって〜」

「まぁいいよ。誰でも」

「ほんと!?」



またあいつは女の子1人持ち帰った。



不破暁。



歳上好きらしいけど、実際はそんなのただの口実で、やれれば女の子誰だっていい。



あたしの2個上で、幼なじみ。



兄の千賀と小さい頃から仲良くて、あたしもよく一緒に遊んでた。



ひと目見た時にすぐ好きになって、小さい頃は毎日好き好き言ってたらしい。



もう今じゃ素直に言えなくなってるけど·····。



変わらず気持ちは暁にある。



「また不破先輩見てる〜。懲りないね、芹〈セリ〉」

「あたしには最近冷たいのにムカつく」

「不破先輩にムカつけるの芹だけだよ」

「だって、イライラするんだもん」



あたしが高校生になってから、暁は急激にあたしに対して冷たくなった。