本人は全く自覚ないんだけど·····。



そんな豹くん。



最近女の子からのお誘いやラブレターが減って来たと思ったら·····。



卒業式にブワッと来た。



豹くんの周りには一瞬で女の子の壁ができる。



あぁ〜·····豹くんが押しつぶされてくよ〜·····。



私なんかペイって外に弾かれて。



オロオロするしかなかった·····。



「小田桐先輩っ!ボタンくださいっ!」

「小田桐先輩ずっと大好きですっ!」

「いや〜小田桐先輩学校やめないで〜!」



豹くんは学校辞めるんじゃなくて卒業するんだよ·····。



というか、私だって豹くんのボタン欲しいし、私の方が豹くんのこと大好きだもんっ!



なんて、決して声には出さないけど、いっちょ前に心の中ではかなり大きめに呟く·····。



そんな時、突然腕を取られビクリとして。



見上げた先にはちょっとボロボロの豹くん。



「柚子、走れ」

「へ?」



その言葉を合図に、私は豹くんに手を引かれ豪速球のようにその場を走り去った。