《潤美》



千賀くんが風邪をひきました。



クリスマスはイルミネーションに行こうって約束してたのに、電話の声はとっても辛そうで·····。



お見舞いに行こうとしたら、うつしたくないからって頑なに拒否されて。



けど翌日の朝鳴ったケータイのディスプレイには千賀くんの文字。



飛び起きてケータイを耳に当てた。



「千賀くん!?」

『ウミちゃん·····。僕、このまま目瞑ったらあの世にいきそうで·····』

「えっ!?」

『最後にウミちゃんのその可愛い声聞かなきゃと思って·····』

「何言ってるの!?」



千賀くんがどうやらピンチです!!



両親は仕事でもういないらしく、芹ちゃんもいないとか。



とにかく急いで身支度をして、家を飛び出す。



たどり着いた初めての千賀くんの家は豪邸すぎて驚いたけど、そんなこと今はどうでもよくて、開いている玄関の扉をソロりと開けた。



「お邪魔します·····」



シーンと静まりかえっている千賀くんのお家。



2階で寝てるからと言っていた千賀くんの様子を見に階段を上る。