「お父さん、アイス食べよ。」

「お母さん、お帰り。
今日は、お姉ちゃんの手伝いしたんだよ。」

「お皿が1枚、犠牲になったけどね。」

あれから少しして、お父さんは在宅介護になった。

今思えば、最期の時間を子供たちと過ごしたかったんだと思う。

私は………

彼に失敗して笑われてから、前のような

ワガママで甘えっ子で………愛される娘で……妹に戻れた。

急激な変化に

子供なりに

『甘えてはいけない。』

『頑張らないと!』

『良い子でいよう。』とムリしていたからか。

笑うことさえ忘れてしまっていた。

けど、目の前で笑ってくれた彼に

自分らしくいたら、みんな笑顔でいてくれると教えられ…………。

笑うことを思い出したの。

あれから彼に会うことはなくて、お礼も言えてないけど。

私にとってのターニングポイントだったから。

忘れることは出来ないでいたの。