あの月が丸くなるまで

「上坂は社会人だから、会えるようになっても、高校の時みたいには頻繁に会うことができないよね。思うように会えない日があれば、きっとまた私は不安になる。だから……だから、もう、離れてても不安にならないくらい……私の深くまで、上坂を、刻み付けて」

「……本当に、いいの?」

「いいよ。これが夢じゃないって、ちゃんと、私にわからせて」


 高校の頃、私に触れなくなった上坂。いつの間にか、私の方がそれをさみしいと思うようになっていた。

 この人に、触れたい、と思うようになってしまった。

「わかった」

 もう一度私を抱きしめた後、上坂は私と手を繋いで歩き始めた。と、ふいに上坂が声をあげた。