あの月が丸くなるまで

「高校の時よりもっと、綺麗になった。さっき、店を出て振り向いた美希を見た時、あんまり綺麗になっていたから心臓が止まるかと思ったよ。その髪も、このやわらかい頬も、抱き心地のいい身体も……全部、俺のもの?」

「頭のてっぺんから足の先まで、みんな上坂のものだよ。だから」

 すこしだけ、お化粧を覚えた。スカートもはくようになった。上坂が綺麗だと言ってくれた髪は、長くのばしたままちゃんと手入れをしてきた。いまだにめがねだけは変わらないけれど。

 私の全部で、上坂を待っていた。



「上坂も、私だけのものになって」

「美希……」

 ふ、と目を細めた上坂に、私が目を閉じようとした時だった。




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