あの月が丸くなるまで

「上坂」

「ん?」

「……私は、とっくに上坂のものだよ。高校の時から、今も、この瞬間も」

 上坂が目を見開いた。


 頬が熱い。でも、今言うべきことが、ある。

 ずっとずっと、上坂に言いたかったこと。


「上坂が、好き。上坂に似合う女性になれたかどうかはわからないけど……私なりに、頑張ってみたつもり。もとがもとだからモデルさんみたいにはなれないのは勘弁して? けど、あの頃より、少しはかわいく……なれたかな、って……」

 言いながら俯いてしまった私の頬を、上坂の両手が包む。大きな手は、高校の頃と変わらない。その手が、ゆっくりと私の顔を上げさせた。

「綺麗だよ」

 上坂は、はんなりと微笑んで、私と額を合わせる。