あの月が丸くなるまで

 通話を押しながら、私は部屋を出る。

「もしもし!」

『美希?』

 耳に届いたのは、懐かしい声。それだけで、涙が出そうになる。

『にぎやかだな』

 部屋を出ても、ほぼ満席の店の中はざわめきが大きい。

「ん、今日同級会なの」

『何?』

「どーきゅーかい! で、今……」

『ごめん。うるさくて聞こえない。そこ出てよ』

「うん、ちょっと待ってて」


 私は店を出ると、ドアを閉めてから、もう一度携帯を耳に当てた。

「もしもし、聞こえる?」

「『ばっちり』」

「え……?」