あの月が丸くなるまで

「お前、今、彼氏とかいるの?」

 彼氏。

「……いない」

 会えない。話もできない。そんなのはきっと、彼氏なんて言わない。

「すげえ、綺麗になったよな」

「誰が?」

「梶原が。だから、男でもできたのかと思った」

「できてないし、変わってもいない」

「自覚ないのかよ。……まあいいや。彼氏いないなら、俺と付き合わねえ?」

「は?」

 驚いて顔を上げれば、仁田が思いがけず真面目な顔をしていた。