あの月が丸くなるまで

「そんな人、いたんだ」

「目の前に」

「じゃ、そろそろ時間だから」

 今度こそ本当に席を立つ。ちょうどいい時間だし。


「蓮から、なにも連絡ない?」

 背中から聞こえた声に、振り返る。岡崎さんは、テーブルに頬杖をついて私を見上げていた。

 どこか、つかみどころのない笑顔で。

「ないけど……なんで?」

「んにゃ。なんでもない」

 そのままひらひらと手を振る。私も軽く手を振り返して、カフェをあとにした。


  ☆


「では、再会を祝して。かんぱーい!!」

「「「かんぱーい!!!」」」

 それを合図に、めいめいが話し始めていっきににぎやかになった。