あの月が丸くなるまで

「なんであんなめんどくさいコに手を出したの?」

「しつこいコでさあ……。思い込みも激しいし、これは手出したらヤバいな、と思ったからずっと無視してたんだ。なのに何かとからんでくるからこっちも大概辟易してて。一回だけつきあったらあきらめるってんで、食事しただけ。断じて、手だって繋いでない。なのに、次の日からとたんに彼女面し始めて……大槻先生にまでつきあっているんだろ、って聞かれて、誤解を解くのにすげえ疲れた」

 もしや、今日話が長かったのは、大槻先生じゃなくて岡崎さんの方か。


「ちょいちょいつまみ食いなんかしてるから、そんなのにつけ込まれるのよ。これにこりたら、少しはおとなしくしてたら?」

「俺が一番愛している女が、つきあってくれなくてね。さみしくてつい、あちこち手を出す結果になるんだよ」