「月が丸くなるまで。あんたのその言葉、気に入ったからつきあってみたわ。もうすぐ、約束の満月になる。だから、おしまい」
「まだ丸くない」
「でも」
「美希が俺を好きになるまで、あの月は丸くならない」
「何言って」
「お前さ、俺といて、楽しかったろ」
「……」
反論しようとした声が、喉の奥でかすれて消える。
ない、って言えばいい。全然好きなんかじゃないって言えば、それで終わる。
なのに……
「今までの俺はさ……到底、美希の隣に立てるような男じゃない」
私の手を握っている大きな手に、心なしか力がこもる。
「まだ丸くない」
「でも」
「美希が俺を好きになるまで、あの月は丸くならない」
「何言って」
「お前さ、俺といて、楽しかったろ」
「……」
反論しようとした声が、喉の奥でかすれて消える。
ない、って言えばいい。全然好きなんかじゃないって言えば、それで終わる。
なのに……
「今までの俺はさ……到底、美希の隣に立てるような男じゃない」
私の手を握っている大きな手に、心なしか力がこもる。



