あの月が丸くなるまで

「さすがに昨日はイメージが全然違うからわからなかったけど、今日君を見て、あれ、と思ったんだ。ずいぶん、変わるものだね」

「それはこちらのセリフです」

 人のこと言えない。この人だって、昨日は茶髪のオールバックだった。けど、今目の前にいる彼は、有名予備校に通う賢そうな爽やかイケメン。清潔そうなサラサラヘアは綺麗な黒髪だった。どっちの色が、本当の髪の色なんだろう。


「蓮と一緒にいたってことは、君、もしかして鷹高?」

「はい。……あの」

「あ、失礼」

 畳み掛けるように話しかけられて答えを躊躇する私に、彼は爽やかに笑った。

「俺は、岡崎圭介。鈴ヶ丘だよ」

「梶原美希です。鈴ヶ丘なんですか」

 私は、わずかに目を見開いた。