秋が深まり朝晩っはすっかり寒くなってきた。


 最近、忍は優輝に甘えることが多くどこかに連れて行ってほしいと頼むことが多くなった。

 絢は希歩にべったりくっついて、一緒に買い物に行ったり、服を選んでもらったり、食事の準備を手伝ったりしている。



 今まで離れていて、甘えることが出来なかった分、今甘えているようだ。



 絢と忍が甘えてくる事で、優輝と希歩の時間はすっかりなくなっていた。

 夜寝る時も、4人で和室で一緒に寝ることが多く。

 2人で寝ることはなくなっていた。


 それでもとても幸せで。

 すっかり馴染んできていた。




 そんな時…。


「優輝さん、ちょっといい? 」

「ん? どうしたの? 」


 希歩はこっそり優輝を自分の部屋に呼んだ。


「あのね優輝さん…。今日ね…」


 どこか言いずらそうな顔をしている希歩。


「どうしたの? 何かあったの? 」

「何かあったのかって聞かれたら、あったのかもしれない…」

「なに? どうゆう事? 」

「実は…今日ね…。病院に行ってきたの」

「病院? 」

「うん…」


 何となく深刻そうな顔の希歩を見て、優輝はちょっと不安を感じた。


「あのね…。できちゃったの…赤ちゃん…」

「え? 」


 不安を感じた優輝だが、いっぺんに喜びに変わった。


「本当? 」

「うん…。今、6週目だって…」

「おめでとう、希歩」


 嬉しくて優輝はギュッと希歩を抱きしめた。


「いいの? 赤ちゃん、産んでも」

「なんで? そんな事言うの? 」

「だって…絢も忍も、もう10歳だし。…年が離れた子供だから…」

「まったく。希歩は心配性だね。僕と希歩は、また始まったばかりじゃないか。そこに来てくれたんだよ、大歓迎に決まっているじゃないか」

「本当? 」

「ああ、何も心配しなくていいから。元気な赤ちゃん産んで」


 希歩は優輝の胸の中で、そっと頷いた。