その日のディナーはお祝いのディナー。

 シャンパンで乾杯する優輝と希歩。


「良かったね、結婚式できて」

「ええ、お父さんとお母さんに感謝ね」

「これからがまた、始まりだね。改めて宜しく、希歩」

「こちらこそ」


 幸せな結婚式を終えて、一安心の優輝と希歩。




 その夜は、ゆっくりと優輝と希歩は愛し合っていた。

 優しく希歩の髪をすくい、そっと見つめる優輝。


 ベリーショートだった希歩の髪は、ショートヘヤーよりちょっと長いくらいまで伸びて、とても可愛くなっていた。


「ねぇ希歩。気づいている? 」

「え? 何を? 」

「希歩の顔、昔の顔に戻っているよ」

「え? 本当? 」

「ああ、僕から見れば。今は、あの頃の希歩だよ」


 チュッと、希歩の唇にキスをして、優しく微笑む優輝。


「色々あったけど、今こうして希歩といられる事。とっても幸せだよ」

「私も…」


 優輝はそっと、希歩の左手をとって、手首の傷に触れた。


「この傷も、全部愛しているから…」

 傷跡にキスをして、ギュッと希歩を抱きしめる優輝。


「どんな希歩だって、愛している。…だから、もう過去の事は全て許そう」

「うん…」

「これからの幸せだけを、見てゆこう。絢と忍も一緒に」

「うん…」


 
 2人の唇が重なり…

 
 産まれたままの姿で重なり合い…

 愛し合う…。


 繋がり合って、感じ合って…。

 最高のエネルギーを感じる。


 全てを許して未来に進む。

 これからの未来にむけて歩き出すために…。