綺麗に着飾った花嫁は神輿で運ばれ神社へ移動しお社の中へと入っていった。

そこからは何も物音がせず聞こえるのは神主の祝詞|《のりと》のみだった。

太陽が沈みかけた逢魔が時扉の向こう側からカランカランと物音が聞こえ開けてみるとそこには花嫁の頭に飾られていた簪が何本も落ちているだけで当の本人は何処にも見当たらなかった。

その娘の母親が送った簪も共になくなっていた。







そしてその村は三年間飢饉|《ききん》に襲われた。