「あ、ねぇねぇおばあちゃん。この町に妖怪とか神様とかの伝承ってあるの?」

「なんだい?珍しいね。そんな話をするなんて。」

「学校の授業で妖怪や言い伝えのレポートを出さなくちゃいけなくてこの町にあるかなって。」

「そうだねぇ。ほら。あそこの龍女山|《りゅうめやま》があるだろ?そこの神社にはある女の子が祀られているんだよ。」

「何かいいことしたの?」

人間を神として祀るのは時の権力者や悪霊として災いをもたらす権力者の霊を鎮めるためとか学校の授業で言ってたな。

日光の徳川家康や大宰府の藤原道長が確かそうだ。

「あそこに祀られているのは竜神様に見初められた女の子だよ。確か私のおばあさんがいってたのはこうだね。」