フェイさんが運転する真っ黒のN-BOXは、
むかし港に届いた貿易品を運ぶために栄えた街道に沿って東へ向かう。
私の家の正反対だ。
ステアリング、ダッシュボードはピンクと黒のゼブラ柄。
麻の葉っぱの形をしたアロマがバックミラーにぶら下がっている。
いかにもギャル車な内装をしているが、
フェイさんはまるでギャルっぽくはない。
先ほど空き地で見た時は、少年のように見えた。
改めて近くで見ると蒸留水のような混じり気のない透明感で、
白磁でできているように肌は美しかった。
「おい、なんか静かなんだけど、酔ったか?
あたしもフェイの運転に慣れるまでは車酔いよくしたんだよ」
そう私に声をかけてくれたのは助手席に座る園田さん。
後部座席にひとり座るのが私。
「あっ、いえ、車酔いは大丈夫ですけど……」
後部座席にひとり座る私は、
数10分前、車に乗り込む前に園田さんとフェイさんから散々説得をされて
汚れたパンツを脱ぎ、スカートの中はバスタオルを巻いている。
失禁で汚してしまった下着はコンビニの袋に入れて後部座席の足元にある。
「なによー、まだ怒ってんの?
別にシートが汚れるからとかそんなんじゃないって言ってんじゃん!」
呆れたように園田さんは言った。
「怒ってるんじゃないんです、、
恥ずかしいんです!」
「そりゃノーパンなんて恥ずかしいのに決まってんだろ」
言いながら園田さんは笑っている。
「恥ずかしくたって、
濡れたパンツをガマンして履き続ける方が
マジで良くねえって。なぁ?」
フェイさんを見遣る。
「そうだね。
マリーはいい加減なことばっかり言ってるけれど、
これはホントよ。
汚れたパンツのままひとりでさ、
家に帰ろうなんてしてる時なんて死んじゃった方がいいかなとか
そんな気になるんだ。
だから汚れたパンツは脱いじゃった方がいいんだよ」
「惨めっつうかね、情けねえっつうのか。
すげーイヤな感情がぐちゃぐちゃしてくるんだよ。
そんな気持ちにさせてんのが汚れたパンツなら
そんなもん脱いで、ムカつくやつに投げつけるのが一番だ」
自分の経験から、かなり強引ではあったけれど
私のことを思ってのことだったのか。
園田さんが、フェイさんがどうしてそんな惨めで情けない経験をしたのかは
聞くことはできなかった。
少しだけ気まずい沈黙。
カーオーディオからはAMラジオが流れている。
フェイさんの好みは本当にわからない。
むかし港に届いた貿易品を運ぶために栄えた街道に沿って東へ向かう。
私の家の正反対だ。
ステアリング、ダッシュボードはピンクと黒のゼブラ柄。
麻の葉っぱの形をしたアロマがバックミラーにぶら下がっている。
いかにもギャル車な内装をしているが、
フェイさんはまるでギャルっぽくはない。
先ほど空き地で見た時は、少年のように見えた。
改めて近くで見ると蒸留水のような混じり気のない透明感で、
白磁でできているように肌は美しかった。
「おい、なんか静かなんだけど、酔ったか?
あたしもフェイの運転に慣れるまでは車酔いよくしたんだよ」
そう私に声をかけてくれたのは助手席に座る園田さん。
後部座席にひとり座るのが私。
「あっ、いえ、車酔いは大丈夫ですけど……」
後部座席にひとり座る私は、
数10分前、車に乗り込む前に園田さんとフェイさんから散々説得をされて
汚れたパンツを脱ぎ、スカートの中はバスタオルを巻いている。
失禁で汚してしまった下着はコンビニの袋に入れて後部座席の足元にある。
「なによー、まだ怒ってんの?
別にシートが汚れるからとかそんなんじゃないって言ってんじゃん!」
呆れたように園田さんは言った。
「怒ってるんじゃないんです、、
恥ずかしいんです!」
「そりゃノーパンなんて恥ずかしいのに決まってんだろ」
言いながら園田さんは笑っている。
「恥ずかしくたって、
濡れたパンツをガマンして履き続ける方が
マジで良くねえって。なぁ?」
フェイさんを見遣る。
「そうだね。
マリーはいい加減なことばっかり言ってるけれど、
これはホントよ。
汚れたパンツのままひとりでさ、
家に帰ろうなんてしてる時なんて死んじゃった方がいいかなとか
そんな気になるんだ。
だから汚れたパンツは脱いじゃった方がいいんだよ」
「惨めっつうかね、情けねえっつうのか。
すげーイヤな感情がぐちゃぐちゃしてくるんだよ。
そんな気持ちにさせてんのが汚れたパンツなら
そんなもん脱いで、ムカつくやつに投げつけるのが一番だ」
自分の経験から、かなり強引ではあったけれど
私のことを思ってのことだったのか。
園田さんが、フェイさんがどうしてそんな惨めで情けない経験をしたのかは
聞くことはできなかった。
少しだけ気まずい沈黙。
カーオーディオからはAMラジオが流れている。
フェイさんの好みは本当にわからない。
