校門はまだ遠くに見えた。
園田さんは私の応えを聞いて、
何やら思案げに、、口を開かなかった。
「変ですか…?」
「そんなことねぇよ。目から鱗が落ちたんだよ。
そういう考え方があんだな。
温室育ちの坊ちゃんやお嬢ちゃんと違うなあ。
つまんねぇ応えじゃなかったもん。
さすがは高等部からの編入組か、、そうだろ?
平野さん?」
そう言って、
ニヤッといやらしい笑みを浮かべ私を見遣った。
私は改めて驚いて返事ができずにいた。
言い淀む私を園田さんは、
「ん? あたしのこと、イケメンを抱きまくってる
XXXだと思ってたんだろ?
あのね、あたしはお前と同じただの高等部二年生だよ。
不幸なことに初恋さえまだなんだ。
勉強させてくれてありがとな」
そう言って
大きな目を垂らし、大きな口の口角を上げ、
本当に楽しそうに笑った。
初めての笑っているところを見た。
美人ってのは、
笑顔になると周りに幸福を振り撒くのか…
とはいえ、逆も言える。
園田さんが不機嫌そうにいる日はクラスメイトや先生たちは、
さわらぬ神に祟りなし、と園田さんを刺激しないようにと、
ピリピリしていた。
「あ、あの、いえ、違うんです…」
