三月はいなくなる子が多いから

私が園田さんについて知っていることは
この程度だった。

つまり誰でも知っていることだけしか
知らない。


身体の火照りはだいぶ引いてきている。


どう頭を使ってみても
私が園田さんと友達になれる
きっかけは考えつかない。


自然と深いため息が出た。


それでも私は先生と約束をした。

明日、園田さんに声をかけてみます、と。
もちろん、期待はしないでください、とも。


いくら密かに憧れていた
牧田先生からの頼みだっていっても
簡単には返事はできなかった。

ただ今日は、6月2日。
先生の誕生日だった。

私は先生に何かをしてあげたかったんだ。

先生はまさかプレゼントの代わりに
頼みを聞いたとは考えてもいないだろう。

面と向かってプレゼントなんてできない私が
意地で贈るプレゼントが園田さんと友達になること。

無茶だし、厄介だし、出来るかわからないけれど、
それでも後悔はない。