先生のお願いごとに私は頭が真っ白になっていた。
声のでない口唇が勝手に震えていた。


頭にくるのは、
申し訳のなさそうにする先生のその表情に
お腹の奥で何かが溢れそうな感じがするところだ。


いまだに思考能力はストップしたままだけれど、
想いを、ことばを絞り出した。
それは自分で思っていた以上に、
か細くて、笑えるくらいに震えていた。

「……、どうして…、どうして私なんですか…?」

先生は難しいパズルを解くような表情をした後に


「平野、お前に友達がいないから、だ」


大いなる緊張と、予想さえでできない先生の言葉で
私は産まれて初めて卒倒した。(ガチで)